2023年2月10日(金)から明治座など全国にて公演予定の横浜流星さん主演『巌流島』について、歴史がまったく分からない人のために、そもそも江戸時代からお芝居などの題材にされている『巌流島』とはどんなストーリーなのか超分かりやすく解説します!
2023年2月から『 #巌流島 』(演出 #堤幸彦 )の上演が決定しました!
主演の #宮本武蔵 役の #横浜流星 さん、そして #佐々木小次郎 役の #中村隼人 さん、2人が対決するメインビジュアルが完成しました!
新演出で甦る令和版『巌流島』東京公演は #明治座 で上演します!https://t.co/bwRAZ0hByX pic.twitter.com/pXD7lTKuaP
— 舞台『巌流島』公式 (@ganryujima_ntv) August 30, 2022
歴史ものの舞台やオペラなどの正しい鑑賞方法は先にストーリーを頭に入れておいて、現場では役者さんのお芝居に注目するのが正解です。
じゃないと、ストーリーを把握しようとするあまりお芝居に集中できないからです。
映画とは鑑賞の仕方が違うので注意してくださいね!
では、『巌流島』について分かりやすく解説していきます。
『巌流島(がんりゅうじま)』のあらすじ
宮本武蔵(横浜流星)が佐々木小次郎(中村隼人)に決闘を申し込んで、宮本武蔵(横浜流星)が勝ったよって話です。
地元の剣術の先生である佐々木小次郎(中村隼人)にアウェイの同じく剣の強かった宮本武蔵(横浜流星)が「どっちが強いか勝負しようぜ」と仕掛けて勝っちゃうんですね。
ただ、お芝居、舞台、小説、映像作品では1対1の真剣勝負の末、宮本武蔵(横浜流星)は佐々木小次郎(中村隼人)を刀で斬るカッコいいストーリーで終わるんですが、
実際には武蔵は殺すことができず、その後息を吹き返した小次郎を4人の武蔵の弟子たちが撲殺したと史料に残っています。
1対1の真剣勝負の約束だったはずなんですが、宮本武蔵はこっそり弟子4人を同行させてたんですね。
Q: どんな話?
A: 史実⇒ 若者(宮本武蔵)がおじさん(佐々木小次郎)を倒す決闘の話。正確には「巌流島の戦い」と言います。
ただし、舞台など作品としての『巌流島』は宮本武蔵も佐々木小次郎も若くてカッコよく描かれます。
Q: 誰が?
A: 宮本武蔵(横浜流星)VS佐々木小次郎(中村隼人)
Q: どっちが勝った?
A: 宮本武蔵(横浜流星)
Q: どこで?
A: 巌流島(がんりゅうじま)現在の山口県下関市にある舟島のこと
Q: いつ?
A: 1612年4月13日という説が強いがよくわかってない。
Q: 何時代?の話
A: 安土桃山時代から江戸時代
Q: 決闘した理由は?
A: お互いの弟子同士がどっちの師匠の方が強いかで揉めたことがきっかけ。
Q: 実話なの?
A: 決闘があったことは確か。宮本武蔵の死後9年目に養子の宮本伊織(みやもといおり)が石碑を立てています。
舞台の『巌流島』のストーリーはほぼ創作です。
Q: なぜ有名な話なのか?
A: ドラマの題材として面白いことが挙げられます。
だから江戸時代からお芝居・浄瑠璃・小説・映像作品などの題材に数多く取り上げられていますが、作家吉川英治(よしかわえいじ)の小説が一番有名。ほぼ完全な創作ですが。。。
舞台・小説での有名な2つのシーン・見どころ
- 決闘時間に宮本武蔵(横浜流星)がわざと遅刻してくる
実際は遅刻していません。
- 佐々木小次郎(中村隼人)が刀の入れ物を捨てたときに宮本武蔵(横浜流星)が「小次郎負たり、勝は何ぞその鞘を捨んと」
ザックリ訳すと「小次郎負けたな、勝つつもりなら大事な鞘を捨てるわけねーだろ」という場面
鞘(さや)とは日本刀を入れるケースのことですね。刃物を出しっぱなしにしたら危ないし持ち運びにくいので。
で、宮本武蔵は佐々木小次郎が鞘を捨てたんで、「何、負るつもり?」みたなことを言うわけですが、普通に考えてケースから出しますよね(笑)
宮本武蔵がわざと遅刻してくる話も、鞘を捨てたくだりも、どちらも史実ではなく創作です。
Q: 剣術・剣豪・剣客ってなに?
A:
剣術(けんじゅつ)・・・日本刀で戦う武術のこと
剣豪(けんごう)・・・剣術の強い人として歴史に名前を残した人
剣客(けんかく)・・・剣道に優れた人、といっても現在の剣道のことではなく剣術のこと。
宮本武蔵(みやもとむさし)ってどんな人?
出身地:兵庫県
決闘時の年齢:29歳
職業:武士。
特に剣が強くて戦い方を教えたりする人(剣術家・兵法家)どこかの藩に剣の先生として雇われていたわけでなく、フリーランスの助っ人のイメージです。
円明流(えんみょうりゅう)という剣術の流派を開き「二刀流」を生み出した人。
例えるならドクターXの大門未知子みたいな感じですかね。
のち芸術家に転身。年取ってから絵書いたり、木刀などの工芸品も作ってます。
自分で書いた本「五輪書(ごりんのしょ)」には「俺13~29歳までケンカ60回くらいやったけど負けたことねーから」という内容が書かれています。
佐々木小次郎(ささきこじろう)ってどんな人?
出身地:福岡県
決闘時の年齢:69歳(70歳以上の説もある)
職業:剣術師範。小倉藩に仕える剣の先生ですね。
宮本武蔵がフリーランスの剣の達人に対して、佐々木小次郎は小倉藩にちゃんと雇われていた剣術の先生なので、ドクターXで例えるなら大学病院の医局に所属する教授みたいなイメージです。
「燕返し」という秘技を編み出し、「岩流」と呼ばれる剣術の流派を作りました。
佐々木小次郎に関しては、出生年月日が不明なので正確な年齢というものがわからないのですが、剣術を学んだ師匠の冨田 勢源(とだ せいげん)が生きていた年代に出会うには、宮本武蔵と決闘したときは最低でも50歳以上じゃないと、辻褄が合いません。
最後に
この記事では『巌流島』の戦いについて、どういうストーリーなのかざっくりと簡単に解説しました。
文字で見るとつまらないですが、最低限の下知識を抑えて横浜流星さん主演の舞台『巌流島』を見たら絶対にお芝居に集中することが出来ます。
もちろん、エンターテインメントなので詳しい歴史はわからなくても楽しめるのですが、基礎知識を知っていて観るのと全く知らないで観るのとでは、面白さが全然違うので今から舞台が楽しみですね。
横浜流星さん、中村隼人さんのお芝居が無事見られることを祈りたいと思います。