企業の休廃業の問題が取りざ
たされています。
東京商工リサーチの調査によ
れば2013年度一年間に休廃業
した会社は2万8943社
帝国データバンクの調査では
2014年度では2万4000社余り
で、いずれも倒産件数の2倍だ
そうです。
倒産件数1万855件
(東京商工リサ―チ調べ)
では、なぜ“倒産件数は減少
している”にもかかわらず
休廃業件数は増加
しているのでしょうか?
また
そもそも「休廃業」の意味は
ご存知でしょうか?「倒産」
との違いなども含めお話し
たいと思います。
休廃業とは?倒産との違い
普段あまり聞きなれない
「休廃業」という言葉。
倒産との違いはなんで
しょうか。
東京商工リサーチによる
定義は以下である。
「休廃業」とは資産が負債を上回る「資産超過」状態での事業停止。
「倒産」とは企業が債務の支払不能、経済活動の継続困難な状態。
「解散」とは資産に余力を残した状態で会社を消滅させること
つまり、休廃業とは何らかの
理由により借金より資産の方
が多いのにもかかわらず会社
の活動自体をやめてしまう
ことです。
「隠れ倒産」といわれる理由
では、冒頭でもお話したように
なぜ倒産件数は減少傾向にある
にもかかわらず休廃業は増加
しているのでしょうか?
それは、東京商工リサーチに
よると休廃業は倒産件数に含
まれていないから。
実質、倒産と同じ状態にも
かかわらず定義が違う点で
数えていません。
だから限りなく倒産に近い
ので休廃業は「隠れ倒産」
とも呼ばれているのです。
休廃業が増加している理由
先ほど休廃業は何らかの
理由により借金より資産
の方が多いのにもかかわらず
会社の活動自体を
やめてしまうことと
説明しました。
ここでは、その何らかの
理由の具体例を挙げて
いこうと思います。
①後継者がいない
帝国データ―バンクの調査
によれば休廃業した会社の
75%が理由として挙げています。
②人手不足
特に地方の地元企業では影響
が多く都市部の大きい企業に
人手が流出している
③販路縮小
地域レベルの例として、ある
地域の人口減少により消費者
が少なくなることによって
先行きの経営の見通しが立たない
④労務費、資材高騰などによる経営不振
企業の経費に占める人件費の
割合は極めて大きい。また原材料
が上がってしまえば当然製造業
であろうと小売業であろうと
価格を上げなくてはならない。
しかし値上げにより商品
そのものが売れなくては
利益は得られないし価格を
据えおいても利幅が少なくなる
という最悪の状態に陥る。
まとめ
休廃業とは借金より資産の方が
多いのにもかかわらず会社の
活動自体をやめてしまうこと
であるということがわかりました。
そしてその理由もいくつか
挙げてきました。
では最後に、休廃業をする
最大のメリットは何だか
わかりますか?
それは
資産がある状態のうちに
休廃業してしまえば銀行や
信用金庫などの金融機関や
取引先、また従業員に
金銭的な迷惑をかけずに
事業停止することができます。
務めていた会社や取引先が
倒産した経験がある人なら
わかると思いますが
取引先の場合、売掛け状態で
代金を回収できずに倒産され
ればこちらは大損失になりますし
ある日突然自分の勤めている
会社が倒産したら明日からの
生活は路頭に迷うことになり
ますよね
つまり、「休廃業」は経営者の
賢明な判断のひとつである
と言えます。