2020年4月21日現在、他者との接触を8割減目指す政府の指針の中、ある驚きの調査結果が出ました。
イギリスの世論調査会社「ユーガブ」の新型コロナ関連調査によると感染予防対策として「通勤通学を避ける」と回答した日本人が18%にとどまりフィンランドと並び26ヵ国中最低だった。
つまり、8割減どころか8割の人が以前と変わらず他者との接触機会にさらされている状況です。
この記事ではなぜ2割の日本人が通勤通学が避けられないのか?について理由と解決策まで考えていきます。
目次
なぜ通勤が避けられないのか?
全国47都府県において緊急事態宣言が出されているにもかかわらず、なぜ通勤が避けられないのでしょうか?
それは“会社が休ませてくれないから”などという安易な話ではなく、
以下の流れが十分想定できるからです。
↓
仕事が無くなる=売上がない
↓
運転資金が減っていく
↓
社員の給料・家賃等が払えなくなる
↓
従業員の解雇
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倒産
新型コロナウイルスの終息の見通しがない中で、企業活動をストップさせることは倒産への駒を一歩進めることになります。
大企業であれば社内留保(しゃないりゅうほ)=貯金のような役割や政府の支援によって短期的に倒産に傾くことはありませんが、日本にある企業の99.7%は中小企業であり、大企業のような資金力を含む体力はありません。
ならば、国による各種休業補償給付に関する制度を利用すれば良いのでは?と思うかもしれませんが、多くの企業は1社だけで企業活動をしていません。
例えば、下請けや孫請け会社の場合、勝手に自社だけ休業するわけにはいきません。
仮にそのような判断をしたら即仕事が無くなる可能性もありますし、終息後に切られる危険性も十分が考えられます。
つまり、ほとんどの中小企業は活動を停止できないのが現実です。
通勤が避けられない業種もある
また、医療従事者、郵便・配達などの運送業者、製造業者、食品・生活必需品などの販売業者、公共交通機関の運転手などを含む職員は、職業の性質としてテレワークなどの在宅勤務をするわけにはいきません。
治療してくれる人、届けてくれる人、モノを作ってくれる人、販売してくれる人、移動手段を手伝ってくれる人達がいなければ、多くの人は日常生活をすることもできなくなります。
やりたくても出来ない職業もあることをマスコミを含め広く知らせ、多くの人が理解する必要があります。
通勤を避けるにはどうしたらいいのか?
日本にある企業の99.7%の中小企業に対して、完全に通勤をストップしてもらうには国が休業補償をするしかありません。
しかし、実質的に全企業に対して行うのは不可能であり、各企業に“お願い”してしまっているのが現状です。
そこで、通勤を避けるためには具体的にどのような案があるのでしょうか?
可能、不可能も含め見ていきましょう。
通勤を避ける具体案
- 時差出勤
- 出勤日数の減少
- 在宅勤務可能な職業は完全出社停止
- テレワーク
- 車通勤
時差出勤や出勤日数を減らすなどの対策は少しずつですが対応している企業の方が多いのではないでしょうか?
人員不足でどうしても回らない企業の場合、出来ていない可能性もあります。
しかし、パートさんやアルバイトなど非正規雇用者をリストラしたり既に犠牲が払われている現状があります。
事務など、リモートワークが可能が職業、部署であれば完全に出社を停止してもらうことも出来ます。
現に、そのような体制に切り替えて自宅で仕事をされている方は周りにも沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、テレワークを実施できているのは2割弱とやはり難しい現状があります。
スカイプやZOOMなどを使ってやると言っても、同企業の会議などであれば良いですが、取引先の相手がテレワークに対応していない場合は、そうスムーズにリモートで仕事が進められるわけがありません。
唯一、電車通勤による3密を減らせるのは「車通勤」です。
これに関しては車のある人に限定されてしまいますが、通勤にかかるガソリン代や駐車料金は会社がもつことで対応するしかありません。
このあたりの経費に関する判断は経営者がコロナと企業活動の関係においてどう捉えているか?意識の違いによって大きく変わるのではないでしょうか。
経営者も従業員は究極の2択を迫られている
“会社に出勤させられている”
“なぜ休ませないんだ!”
などの声も多いのですが、経営者も従業員も究極の2択を迫られるやむなく出勤しています。
究極2択とは以下です。
それでも通勤する経営者と従業員の究極の2択
- 企業活動をストップして命を守る代わりに収入が無くなるか
- ギリギリの対策をし続けてリスク覚悟の上、最低限の収入を確保するか
経営者の視点に立てば、会社と社員を守るのが第一。会社を存続させることが使命です。
そのため経営者だって、従業員に通勤させなくて回るのならそうしたいでしょう。
命が大切なことくらい経営者だって同じです。
しかし、企業活動をストップさせれば売上がなくなます。
従業員に支払う給料はどこから出るのでしょうか?
社長のポケットマネーですか?
違いますよね、企業活動によって得られた売上が給料の原資です。
また、休業に関して自社だけでは判断できないケースの方が断然多い思います。
先程も言いましたが、取引先が企業活動をしている限り休めない下請けもあるでしょう。
つまり、国の各種休業補償給付制度を利用して、会社を休みにする選択もありますが、一方コロナの終息が見えない中で売上なしの状態を続けることは倒産の道に近づいていることを意味します。
であれば、もう一つの選択である「ギリギリの対策をし続けてリスク覚悟の上、最低限の収入を確保するか」を考えるのが今できる限りの判断だと思います。
最後に
通勤通学を避ける日本人が18%の留まるという調査結果について見てきましたが、人との接触機会8割減の達成は日本では難しいでしょう。
やはり、実際に仕事がなくなって失業したとき、すぐに助けてくれる人は身内などしかいません。
現実的には貯金を切り崩すかカードローンなどを使って借金をしてしのぐかです。
自営業でお店をやっていれば固定費である家賃や従業員の給料などの支払いは待ってくれませんし家賃や住宅ローンを抱えていればだまっていても支払日はやってきます。
こういう現実がある中でそう簡単に通勤しない選択を選べないのが今の日本ではないでしょうか。
国に納めた税金ですべての日本人が生活できない以上、ギリギリの対策をし続けてリスク覚悟の上、最低限の収入を確保するために出勤するしかありません。